○斜里地区消防組合警防規程

令和2年4月1日

訓令第1号

目次

第1章 総則(第1条―第4条)

第2章 警防業務(第5条―第13条)

第3章 警防体制(第14条―第23条)

第4章 警防活動(第24条―第35条)

第5章 消防応援体制(第36条)

第6章 雑則(第37条―第38条)

附則

第1章 総則

(趣旨)

第1条 この訓令は、消防組織法(昭和22年法律第226号。以下「組織法」という。)及び消防法(昭和23年法律第186号。以下「法」という。)その他法令の規定に基づき、各種災害から住民の生命、身体及び財産を保護し、被害の軽減を図るために行う警防活動及び警防業務について、必要な事項を定めるものとする。

(用語の定義)

第2条 この訓令において、次の各号に掲げる用語の意義は、当該各号に定めるところによる。

(1) 災害 火災、水災、地震、津波、異常気象、救助活動又は救急活動を必要とする事故その他消防機関の活動の対象となる事象をいう。

(2) 非常災害 災害の様態により、通常の警防体制では対処し難い規模の災害発生又は発生のおそれがある場合をいう。

(3) 警防活動 災害が発生した場合の防ぎょ活動又は被害の拡大を防止するための活動、災害の発生を警戒又は防止するために行う活動、その他これらに附帯する活動をいう。

(4) 警防業務 警防調査、警防計画の作成、消防水利の点検整備、消防自動車等の整備、消防機械器具等及び資機材等(以下「消防機械器具等」という。)の整備等により、警防活動を円滑に実施するための業務をいう。

(5) 警防調査 地理及び消防水利(以下「地水利」という。)並びに消防対象物の実態を把握するために行う調査をいう。

(6) 警防体制 警防活動を円滑に推進するため、消防職員(以下「職員」という。)の確保、消防自動車等及び消防機械器具等の確保、出動の準備等必要な体制をいう。

(7) 現場指揮隊長 災害現場において警防活動の統括指揮を行う者をいう。

(8) 現場指揮本部 災害現場において警防活動全般を統括する指揮拠点をいう。

(9) 通信指令 消防隊、救助隊、救急隊及び指揮隊等(以下「消防隊等」という。)の効率的な運用を行うための災害受信、出場指令、情報収集及び伝達等警防活動に関する通信を行う設備並びにその業務に従事する者をいう。

(警防責任)

第3条 消防長は、警防業務及び警防活動を総括し、職員を指揮監督するとともに、消防行政にかかわる実態を把握し、これに対応する警防体制を確立するものとする。

2 消防本部次長(以下「次長」という。)は、消防長を補佐し、消防長に事故があるとき又は欠けたときは、その職務を代理するものとする。

3 消防署長及び分署長(以下「署長等」という。)は、斜里地区消防組合消防本部及び消防署等設置に関する条例(昭和48年3月24日条例第4号)で定める管轄区域内(以下「管内」という。)における警防業務及び警防活動を統括し、所属職員を指揮監督し、その警防体制の万全を期するものとする。

4 職員は、上司の命を受けて、警防業務及び警防活動に積極的に従事するものとする。

(安全管理)

第4条 消防長及び署長等は、警防業務及び警防活動における安全管理体制を確保し、職員の安全確保に努めるものとする。

2 職員は、前項による指示命令を遵守するとともに、自らの安全管理に努めるものとする。

3 前各項に定めるもののほか、安全管理については、斜里地区消防組合消防安全管理規定(昭和60年12月10日規程第1号)の定めるところによる。

第2章 警防業務

(警防調査)

第5条 署長等は、管内の地水利及び消防対象物の状況を把握するため、必要に応じ、職員に警防調査を実施させるものとする。

2 前項に定めるもののほか、はしご車による警防活動が必要と認められるものについての警防調査は、斜里地区消防組合梯子自動車の活動に必要な空地等の調査基準(平成14年10月24日基準第1号)に定めるところによる。

(警防計画)

第6条 署長等は、管内における警防活動を効率的かつ円滑に実施し、被害の軽減を図るため、警防活動上困難又は危険が予測される区域及び建築物について、別に定めるところにより、警防計画を作成するものとする。

2 警防計画は、次の区分により作成するものとする。

(1) 特殊建築物防ぎょ計画消防法施行令(昭和36年政令第37号。以下「施行令」という。)別表第1に掲げる防火対象物のうち、警防活動上特別の警戒を必要とする対象物で、消防長が指定した建築物における計画をいう。

(2) 火災危険区域防ぎょ計画地水利、建築物及びその他の条件により警防活動上特別の警戒を必要とする地区で、消防長が指定した区域における計画をいう。

3 署長等は、警防計画を定期的に検討するとともに、関係法令に基づく許可若しくは届出又は警防調査の結果により、警防活動上必要があると認めるときは、速やかに当該計画を修正するものとする。

4 署長等は、警防計画を作成し又は前項の修正をしたときは、その旨を消防長に報告するとともに、所属職員に周知するものとする。

(消防水利)

第7条 消防長は、消防水利の基準(昭和39年消防庁告示第7号)に従い、水利の整備を推進するとともに、必要があると認める場合は、署長等に対し、水利の整備に関し必要な措置をとるよう指示するものとする。

2 署長等は、災害時等に水利を有効に使用できるよう、適切に維持、管理をするものとする。

(消防自動車等及び消防機械器具等)

第8条 消防長は、警防活動を円滑に推進するため、消防自動車等及び消防機械器具等の増強、更新の整備計画を定めるものとする。

2 署長等は、配備された消防自動車等及び消防機械器具等を常に最良の状態に維持するため、必要な点検整備を行うものとする。

3 職員は、配備されている消防自動車等及び消防機械器具等の取扱いを十分に把握し、警防活動において、効率的かつ安全に運用出来るよう努めるものとする。

(通信指令)

第9条 通信指令を行うときは、通信機器を活用し、消防隊等に対し必要な指令業務、通信統制、情報収集及び伝達を行い、効率的な運用を図るものとする。

2 前項に定めるもののほか、通信指令について必要な事項は、斜里地区消防組合消防通信運用管理規程(昭和60年8月19日規程第3号)の定めるところによる。

(訓練)

第10条 署長等は、職員の警防活動の知識及び質の向上のため、計画的に訓練を実施するものとする。

2 前項に定める訓練を実施するときは、斜里地区消防組合消防署(分署)における訓練時安全管理要綱(昭和60年12月10日要綱第1号)に基づき、安全確保と事故防止に努めるものとする。

(訓練の種別)

第11条 訓練の種別は次に掲げるとおりとする。

(1) 基本訓練 消防隊等の活動における、基礎的行動規範を習熟するための訓練をいう。

(2) 応用訓練 基本訓練をもとに、各種条件下における警防活動の技術向上及び行動の習得と熟達を図るための訓練をいう。

(3) 総合訓練 前2号の訓練をもとに、総合的な警防活動の確認と錬成を図るための訓練をいう。

(訓練実施の報告)

第12条 訓練を実施したときには、別に定める訓練実施結果報告書により、その結果を署長等に報告するものとする。

(検討会)

第13条 署長等は、警防活動に資するため必要と認めるとき又は消防長から指示があったときは、警防活動に関する検討会を開催する。

2 前項に定める検討会を開催した場合には、今後の警防活動の参考となるよう記録及び報告し、職員に周知するものとする。

第3章 警防体制

(消防隊等の編成)

第14条 消防隊等の編成は次の各号のとおりとする。

(1) 消防隊等は、隊長及び所要の隊員並びに必要な消防機械器具等を装備した消防自動車等をもって編成するものとする。

(2) 救急隊の隊長及び隊員は、救急救命士法(平成3年法律第36号)第2条第2項に規定する救急救命士及び救急隊員の行う応急処置等の基準(昭和53年消防庁告示第2号)第5条第2項に規定するもの(以下「救急有資格者」という。)のうちから署長等が命じ編成するものとする。

(3) 署長等は、災害の対応のため必要と認めるときは、特命等をもった隊を編成する。

2 前項により編成された消防隊等について次の各号のとおり定める。

(1) 小隊 消防隊等のうち隊長及び所要の隊員で編成した単隊をいう。

(2) 中隊 2小隊以上により編成する隊をいう。

(3) 大隊 2中隊以上により編成する隊をいう。

(消防隊等の種別及び任務)

第15条 消防隊等の種別及び任務は、次に掲げるとおりとする。

(1) 指揮隊 災害現場において現場指揮をとり、部隊運用、情報収集及び安全管理等の現場統括を任務とする。

(2) 消防隊 災害における警防活動全般を任務とし、消防自動車等毎の編成に基づく任務は次のとおりとする。

 タンク車隊 水槽付消防ポンプを装備した消防自動車に乗車する隊員をもって編成し、災害全般にわたる警防活動を任務とする。

 水槽車隊 大型水槽を装備した消防自動車に乗車する隊員をもって編成し、消火活動を主たる任務とする。

 ポンプ車隊 消防ポンプを装備した消防自動車に乗車する隊員をもって編成し、災害全般にわたる警防活動を任務とする。

 はしご車隊 はしごを装備した消防自動車に乗車する隊員をもって編成し、高所における警防活動を任務とする。

(3) 救急隊 救急資器材を装備した救急自動車に乗車する救急有資格者をもって編成し、傷病者の観察及び必要な応急処置を施し、医療機関又は適切な医療を行うことのできる場所に傷病者を搬送することを任務とする。

(4) 救助隊 救助資機材を装備した消防自動車に乗車する隊員をもって編成し、警防活動における危険の排除、要救助者を安全な場所へ救出することを主たる任務とする。

(5) その他特命等により編成された隊 特命等を受けた隊員及び必要な消防機械器具等を備した消防自動車等をもって編成し、当該特命等を主たる任務とする。

2 前項各号に定めるもののほか、救急隊については、斜里地区消防組合救急業務規程(平成7年1月20日訓令第1号)に定めることとし、その他の消防隊について必要な事項は別に定める。

(災害の出動原則)

第16条 消防隊等の災害出動は、通信指令によることを原則とする。ただし、出動指令前に災害を覚知したときは、通信指令に連絡した後出動するものとする。

(災害の出動種別)

第17条 消防隊等の出動種別は、次に掲げるとおりとする。

(1) 火災出動 消火活動を要する事象を覚知したときの出動をいう。

(2) 救急出動 救急活動を要する事象を覚知したときの出動をいう。

(3) 救助出動 救助活動を要する事象を覚知したときの出動をいう。

(4) 警戒出動 災害の発生若しくは発生するおそれがあり、防除、鎮圧、防ぎょ活動を要する事象を覚知したとき又は危険物質の排除を要する事象を覚知したときの出動をいう。

(5) 調査出動 災害の鎮圧後、原因調査のための出動をいう。

(6) その他出動 支援活動を要する事象又は前各号以外で緊急を要すると認められる事象を覚知したときの出動をいう。

(災害の出動区分)

第18条 消防隊等の出動区分は、次に掲げるとおりとする。

(1) 第1出動 当務職員により1小隊又は1中隊を編成し出動するものをいう。

(2) 第2出動 地水利、気象、その他の状況により災害の拡大が予想されるとき又は第1出動隊のみでは活動し難いとき、休日若しくは勤務時間外の職員(以下「非番職員」という。)及び消防団員の一部を召集し出動するものをいう。

(3) 第3出動 職員及び消防団員の全部を召集し出動するものをいう。

(召集)

第19条 署長等は、災害が発生若しくは発生するおそれのあるとき又は教養訓練のため、その他必要と認めたとき、非番職員及び消防団員を召集するものとする。

(召集の方法)

第20条 召集の方法は次の各号によるものとする。

(1) 職員及び団員の全部を召集するときは、庁舎及び管内に設置のサイレン吹鳴、順次指令及びメールのうちいずれか又は複数の方法による。

(2) 職員の全部又は一部を召集するときは、順次指令、メール及び電話連絡のうちいずれか又は複数の方法による。

(3) 団員の一部を召集するときは、庁舎及び管内、召集する分団庁舎に設置のサイレン吹鳴及び電話連絡のうちいずれか又は複数の方法による。

(参集)

第21条 召集を認知した非番職員は、特に参集場所を指定された場合を除き、速やかに所属の署又は分署に参集するものとする。

2 召集した職員が、参集場所に到着したときは、上司に報告をし、次の活動体制に備え、速やかに編成を完了するものとする。

3 参集職員が、災害その他の事情により、参集場所に到着できない場合は、最寄りの署、分署又は分団庁舎に参集し、その旨を所属に報告するものとする。

(非常配備体制の発令)

第22条 消防長は、非常災害が発生又は発生するおそれのあるときは、必要に応じ非常配備体制を発令するものとする。

2 非常配備体制の発令基準は次の各号に掲げるものとする。

(1) 斜里地区消防組合構成町に災害対策本部が設置されたとき。

(2) 火災延焼の様態及び規模により、通常体制での防ぎょ活動が困難とされるとき。

(3) 管内において震度5弱以上の地震が発生又は発生のおそれがあるとき。

(4) 特別警報が発表されたとき。

(5) 河川に対し、水防警報が発表されたとき又は洪水の危険が予測されるとき。

(6) 暴風、暴風雪、大雨、大雪、高潮又は波浪の気象警報が発表され、特に警戒態勢が必要とされるとき。

(7) 津波警報が発表されたとき。

(8) その他消防長が特に必要と認めたとき。

3 消防長は、前2項各号により非常配備体制を発令した場合は、消防本部、消防署及び分署に対し速やかに通知するものとする。

(非常配備体制時の措置)

第23条 消防長は、非常配備体制が発令されたときは、関係機関との連携を図り、迅速かつ的確な情報の収集及び伝達に努め、署長等に対し指示事項の周知徹底を図り、警防体制の強化とともに、警防活動の効率的な運用に努めるものとする。

第4章 警防活動

(警防活動時の原則)

第24条 災害の現場における活動は、人命救助を最優先とし、また被害拡大の阻止を目的として、次に掲げる原則を遵守しなければならない。

(1) 人命の安全確保を優先すること。

(2) 現場指揮隊長の指揮のもと統制ある活動を行うこと。

(3) 各関係機関と連携を密接にし、効率的な活動を行うこと。

(4) 各隊相互間の連絡を密にし、消防自動車等及び消防機械器具等並びに消防対象物の設備を有効的に活用した活動を行うこと。

(指揮宣言)

第25条 現場指揮隊長は、災害現場における指揮権を明確にするため、指揮宣言を行い、指揮活動に入るものとする。

2 災害現場における指揮権は、前項の指揮宣言をもって移行する。

3 前各項に定めるもののほか、現場指揮活動について必要な事項は別に定める。

(応援要請)

第26条 現場指揮隊長及び先着隊隊長は、出動消防隊等の消防力では活動し難いときは、通信指令に応援要請を行い、消防力を増強し活動するものとする。

(現場即報)

第27条 現場指揮隊長及び先着隊隊長は、災害の情報及び消防隊等の活動状況等を、通信指令に即報する。

(警戒区域の設定)

第28条 法第23条の2及び第28条(法第36条において準用する場合を含む。)の規定に基づく警戒区域の設定及びその範囲については、次に掲げるとおりとし、現場指揮隊長が決定するものとする。

(1) 火災警戒区域 ガス、火薬又は危険物の漏えい場所、飛散状況、気象条件等から合理的に判断し設定する。

(2) 消防警戒区域 人命の危険、火災における延焼の可能性、気象条件、災害現場活動の障害等に配意し設定する。

(消防対象物等の使用等)

第29条 法第29条第1項から第3項までの規定(法第36条においてこれらを準用する場合を含む。)に基づく消防対象物及び土地の使用、処分又は使用制限は、必要最小限にとどめなければならない。

2 前項に定める措置の決定は、可能な限り当該消防対象物及び土地の関係者の同意又は立会いを求め、現場指揮隊長が行うものとする。

(住民等の協力要請)

第30条 法第29条第5項(法39条において準用する場合を含む。)又は法第35条の10第1項の規定に基づき、災害の現場付近にいる住民等に対して協力を要請する場合は、火災の消火、延焼防止若しくは人命の救助又は救護のため、緊急やむを得ない場合に限るものとし、当該住民等の安全に十分配慮するものとする。

(災害現場の保存)

第31条 現場指揮隊長は、災害原因の調査を円滑に実施するため、災害現場の保存に努めなければならない。

(現場引揚)

第32条 災害の現場に出動した消防隊等は、現場指揮隊長の命令により現場活動を終焉し、引き揚げるものとする。

(鎮圧及び鎮火の決定)

第33条 鎮圧及び鎮火の決定は、現場指揮隊長が行うものとする。

(再燃火災の防止)

第34条 現場指揮隊長は、鎮火の判断を決定するときは、複数の隊員で現場を詳細に観察した後鎮火を決定し、再燃火災の防止に努めなければならない。

2 前項に定めるもののほか、必要な事項は、斜里地区消防組合再燃火災防止対策要綱(平成4年5月1日要綱第1号)に定める。

(活動報告)

第35条 災害に出動した消防隊等は、次に掲げる活動報告書により報告をしなければならない。

(1) 火災出動 火災出動報告書(様式第1号)、隊別活動報告書(様式第2号)、現場位置図及び出場経路図、現場付近防ぎょ活動図

(2) 救助出動 救助出動報告書(様式第3号)、現場付近救助活動図

(3) 警戒出動 警防出動報告書(様式第4号)、現場付近警防活動図

(4) その他出動 前3号に準ずる。

第5章 消防応援体制

(応援出動)

第36条 消防長は、組織法第39条第2項の規定に基づく北海道広域消防相互応援協定(平成3年2月13日締結)による応援要請に応じて、管理者が応援隊の出動を決定したときは、速やかに消防隊等を応援出動させるものとする。

2 消防長は、組織法第44条の規定に基づく消防庁長官又は北海道知事の求めに応じて若しくは指示に基づいて、管理者が北海道外の市町村の消防の応援のため応援隊の出動を決定したときは、速やかに消防隊等を応援出動させるものとする。

3 前各項に定めるもののほか、応援出動について必要な事項は別に定める。

第6章 雑則

(消防団への準用)

第37条 この訓令の規定のうち、消防長が定めるものは、消防団及び消防団員にこれを準用する。

2 消防長は、前項の規定により準用する規定を定めたときは、その内容を、消防団長を通じて消防団員に周知するものとする。

(その他)

第38条 この訓令について必要な事項は、消防長が別に定める。

この訓令は、令和2年4月1日から施行する。

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斜里地区消防組合警防規程

令和2年4月1日 訓令第1号

(令和2年4月1日施行)

体系情報
第7章
沿革情報
令和2年4月1日 訓令第1号