○斜里地区消防組合救急業務規程
平成7年1月20日
訓令第1号
目次
第1章 総則(第1条・第2条)
第2章 救急隊(第3条~第6条)
第3章 救急自動車(第7条~第10条)
第4章 救急活動(第11条~第27条)
第5章 救急自動車の取扱い(第28条・第29条)
第6章 応急手当の普及啓発(第30条)
第7章 医療機関等(第31条・第32条)
第8章 証明(第33条)
第9章 救急業務計画(第34条・第35条)
第10章 雑則(第36条)
附則
第1章 総則
(目的)
第1条 この規程は、斜里地区消防組合が行う救急業務について必要な事項を定め、その能率的運営を図ることを目的とする。
(1) 救急業務とは、消防法(昭和23年法律第186号。以下「法」という。)第2条第9項に定める業務をいう。
(2) 救急業務等とは、救急業務及び第30条に定める業務をいう。
(3) 救急事故とは、法第2条第9項及び消防法施行令(昭和36年政令第37号。以下「令」という。)第42条に定める救急業務の対象となる事故等をいう。
(4) 救急現場とは、救急業務の対象となる傷病者のある場所をいう。
(5) 救急活動とは、救急業務を行うための行動又は医療用資器材等を輸送する行動で、救急隊の出動から帰署までの一連の行動をいう。
(6) 応急処置とは、救急救命士法(平成3年法律第36号。以下「救命士法」という。)及び救急隊員の行う応急処置等の基準(昭和53年消防庁告示第2号。以下「応急処置の基準」という。)に定める応急処置をいう。
(7) 救急資器材とは、救急業務を行うために必要な資器材をいう。
(8) 救急自動車とは、救急業務を行う自動車をいう。
第2章 救急隊
(救急隊の編成)
第3条 消防長は、救急救命士(救命士法第2条第2項に規定する救急救命士をいう。以下同じ。)の資格を有する隊員及び救急隊員の行う応急処置等の基準(昭和53年消防庁告示第2号)第5条第2項に規定する救急隊員(以下「隊員」という。)をもって救急隊を編成するよう努めるものとする。
(救急隊長)
第4条 隊員のうち1人は、救急隊長(以下「隊長」という。)とする。
2 隊長は、消防士長以上の階級にある者をあてるものとする。
3 隊長は、上司の命を受け、隊員を指揮監督し、救急業務を円滑に行うように努めなければならない。
(隊員の服装)
第5条 隊員は、救急業務を実施するに当たっては、斜里地区消防組合消防吏員の服制に関する規則(昭和50年規則第1号)に定める救急帽、救急服を着用するものとし、必要に応じ感染防止衣等を着用するものとする。ただし、安全を確保するため必要があるときは、救急帽に代えて保安帽を着用するものとする。
(隊員の訓練)
第6条 消防長は、隊員に対し、救急業務を行うに必要な学術及び技能を習得させるため、常に教育訓練を行うよう努めなければならない。
第3章 救急自動車
(救急自動車の要件)
第7条 救急自動車は、道路運送車両の保安基準(昭和26年運輸省令第67号)に定める緊急自動車の基準に適合するものとする。
(高規格の救急自動車の配置)
第8条 消防長は、救急隊員の行う応急処置等の基準第6条第3項に規定する応急処置を行うために必要な構造及び設備を有する救急自動車を配置するよう努めるものとする。
(救急自動車の標示)
第9条 救急自動車の側面には、斜里地区消防組合の消防署又は各分署等の名称を標示するものとする。
(救急自動車に備える資器材)
第10条 救急自動車には、次の各号に掲げる資器材を備えるものとする。
(1) 応急処置等に必要な資器材で別表第1に掲げるもの
(2) 通信、救出等に必要な資器材で別表第2に掲げるもの
第4章 救急活動
(救急隊の出動)
第11条 消防長は、救急事故が発生した旨の通報を受けたとき又は救急事故が発生したことを知ったときは、当該事故の発生場所、傷病者の数及び傷病の程度等を確認し、直ちに最寄りの救急隊を出動させなければならない。
(救急隊の出動区域)
第12条 救急隊の出動区域は、原則として斜里地区消防組合消防本部及び消防署等設置に関する条例(昭和48年3月24日条例第4号)に規定する管轄区域とする。
(口頭指導)
第13条 消防長は、救急要請時に、通信指令又は現場出動途上の救急自動車から救急現場付近にある者に、電話等により応急手当の協力を要請し、その方法を指導するよう努めるものとする。
(応急処置等)
第14条 傷病者に対する処置等の実施にあたっては、傷病者及び関係者に対し症状や応急処置等の実施について説明し、同意を求めるものとする。
2 傷病者の観察及び応急処置等は、救急隊員の行う応急処置等の基準及びオホーツクメディカルコントロール協議会(以下「オホーツクMC」という。)の規定するプロトコールに基づき行うものとする。
(医師の要請)
第15条 隊長は、次の各号のいずれかに該当するときは、速やかに救急現場に医師を要請するとともに、必要な措置を講ずるよう努めるものとする。
(1) 傷病者の状態から搬送することが生命に危険であると認められる場合。
(2) 傷病者の状態からみて、搬送可否の判断が困難な場合。
(3) 傷病者の救助に時間を要し、医師による診療が必要と認められる場合。
(警察への通報)
第16条 隊長は、次の各号のいずれかに該当するときは、速やかに災害発生地を管轄する警察署へ通報するものとする。
(1) 傷病の原因に犯罪の疑いがあると認められる場合。
(2) 交通・労災事故の場合。
(3) 自傷・他害の恐れがある場合。
(4) その他、隊長が必要と判断した場合。
(医療機関の選定)
第17条 傷病者の搬送に当たっては、原則として最も近い医療機関を選定するものとする。ただし、傷病者又は家族等から特定の医療機関へ搬送を依頼された場合は、傷病者の症状及び救急業務上の支障の有無を判断し、可能な範囲において依頼された医療機関に搬送することができる。
(搬送を拒んだ者の取扱い)
第18条 隊員は、救急業務の実施に際し、傷病者又は関係者が搬送を拒んだ場合、搬送辞退書(様式第1号)に必要事項を記載し、署名した場合、これを搬送しないものとする。
(死亡者の取扱い)
第19条 隊長は、傷病者が明らかに死亡していると判断できる場合、又は医師が死亡していると診断したときは、これを搬送しないものとする。
(感染症と疑われる者の取扱い)
第20条 隊長は、感染症の予防及び感染症の患者に対する医療に関する法律(平成10年法律第114号)第6条に規定する一類感染症、二類感染症、指定感染症又は新感染症と疑われる傷病者を搬送した場合は、隊員及び救急自動車等の汚染に留意し、直ちに所定の消毒を行い、その旨を消防長に報告するとともに、当該傷病者に対する医師の診断結果を確認し、所要の措置を講ずるものとする。
(転院搬送)
第21条 現に医療機関にある傷病者を他の医療機関に搬送する場合(以下「転院搬送」という。)は、医師からの要請により搬送先医療機関が確保されている場合に行うものとする。
2 転院搬送を行う場合は、要請のあった医療機関の医師又は看護師等の同乗を求めるものとする。
(関係者の同乗)
第22条 隊員は、未成年者である傷病者又は意識に障害等があり正常な意思表示ができない傷病者を搬送する場合は、保護者その他の関係者の同乗を求めるものとする。
2 隊員は、傷病者を搬送する場合において、当該傷病者の関係者又は警察官が同乗することを求めたときは、努めてこれに応ずるものとする。
(要保護者等の取扱い)
第23条 消防長は、生活保護法(昭和25年法律第144号)に定める被保護者又は要保護者と認められる傷病者を搬送した場合においては、同法第19条各項に定める機関に通知するものとする。
(家族等への連絡)
第24条 隊員は、傷病者の傷病の状況により必要があると認めるときは、その者の家族等に対し、傷病の程度・状況等を連絡するよう努めるものとする。
(災害救助法における救助との関係)
第25条 救急業務は、災害救助法(昭和22年法律第118号)が適用される場合においては、同法の規定に基づく救助に協力する関係において実施するものとする。
(活動の記録等)
第26条 隊員は、救急業務を行った場合、救急業務報告書(様式第2号)を作成し、所属長に報告するものとする。
2 隊員は、傷病者を搬送し、医療機関に引き渡した場合は、傷病者引継書(オホーツクMC様式)に必要事項を記載し、必要に応じて初診医の意見及び署名を受けるとともに、傷病名、傷病程度について当該医師の所見を傷病者収容書(様式第3号)にて受けるものとする。
3 救急救命士は、救急救命処置を行ったときは、救急救命処置録(様式第4号)を作成し、所属長に報告するものとする
4 隊長は、オホーツクMCの定める救急活動事後検証対象症例に該当した場合は、定期に報告し事後検証を受けるものとする。
(救急月報等)
第27条 署長(分署長)は、毎月の救急業務について救急月報(様式第5号)により消防長に報告するものとする。
第5章 救急自動車の取扱い
(消毒)
第28条 消防長は、次の各号に定めるところにより、救急自動車及び積載品等の消毒を行うものとする。
(1) 定期消毒 月1回
(2) 使用後消毒 毎使用時
2 前項の規定による消毒を効果的に行うため、消防署及び分署には、消毒器、滅菌器等の消毒用資器材を備えるものとする。
第6章 応急手当の普及啓発
(住民に対する普及啓発)
第30条 消防長は、斜里地区消防組合応急手当の普及啓発活動の推進に関する実施要綱に基づき、住民に対する応急手当の普及啓発活動を計画的に推進するよう努めるものとする。
第7章 医療機関等
(医療機関との連絡)
第31条 消防長は、救急業務の実施について医療機関と常に密接な連絡をとるものとする。
(団体等との連絡)
第32条 消防長は、救急に関する事務を行っている団体等と救急業務の実施について情報を交換し、緊密な連絡をとるものとする。
第8章 証明
(搬送証明書の交付)
第33条 救急搬送の証明を受けようとする者は、救急搬送証明願(様式第7号)により申請し、消防長は、申請内容を確認したうえで交付するものとする。
2 前項の規定による申請をしようとする者が傷病者本人以外の場合は、本人の委任状の添付又は本人との親族関係を証明する書類の提示若しくは提出を求めるものとする。
第9章 救急業務計画
(救急業務計画)
第34条 消防長は、特殊な救急事故の発生した場合における救急業務の実施についての計画を作成しておくものとする。
2 消防長は、毎年1回以上前項に定める計画に基づく訓練を行うものとする。
(救急調査)
第35条 消防長は、救急業務の円滑な実施を図るため、次の各号に定めるところにより調査を行うものとする。
(1) 地勢及び交通の状況
(2) 救急事故が発生するおそれのある対象物の位置及び構造
(3) 医療機関等の位置及びその他必要な事項
(4) その他消防長が必要と認める事項
第10章 雑則
第36条 この規程の施行に関し必要な事項は、消防長が別に定める。
附則
1 この訓令は、平成7年2月1日から施行する。
2 斜里地区消防組合救急業務規程(昭和52年7月1日規程第1号)は、平成7年1月31日をもって廃止する。
附則(平成7年12月22日訓令第3号)
この訓令は、平成8年1月1日から施行する。
附則(平成17年11月16日訓令第1号)
この訓令は、平成18年1月1日から施行する。
附則(平成24年12月11日訓令第1号)
この訓令は、平成25年1月1日から施行する。
附則(令和3年2月5日規程)
この規程は、令和3年4月1日から施行する。
附則(令和5年5月1日規程第1号)
この規程は、公布の日から施行する。
別表第1
応急処置等に必要な資器材
分類 | 品名 |
観察用資機材 | 体温計 検眼ライト |
呼吸・循環管理用資器材 | 自動式人工呼吸器一式 手動式人工呼吸器一式 心肺蘇生用背板 酸素吸入器一式 吸引器一式 |
創傷等保護用資器材 | 副子 三角巾 包帯 ガーゼ ばんそうこう 止血帯 タオル |
保温・搬送用資器材 | 担架 まくら 敷物 保温用毛布 雨おおい |
消毒用資器材 | 噴霧消毒器 その他の消毒器 各種消毒薬 |
その他の資器材 | 氷のう・水枕 臍帯クリップ はさみ(1組) ピンセット(1組) 手袋 マスク 膿盆 汚物入 手洗器 洗眼器 |
その他必要と認められる資器材 |
別表第2
通信、救出等に必要な資器材
分類 | 品名 |
通信用資器材 | 無線装置 |
救出用資器材 | 救命浮環 救命綱 万能斧 |
その他の資機材 | 保安帽 救急かばん 警笛 懐中電灯 |
その他必要と認められる資器材 |
別表第3
高度救命処置等に必要な資器材
分類 | 品名 |
観察用資機材 | 血圧計 聴診器 血中酸素飽和度測定器 心電計 |
呼吸・循環管理用資器材 | 経鼻エアーウェイ 喉頭鏡 マギール鉗子 ショックパンツ 自動式心マッサージ器 自動体外式除細動器 輸液・薬剤セット一式 ラリンゲアルマスク ツーウェイチューブ 食道閉鎖式エアーウェイ |
通信用資器材 | 心電図伝送装置 自動車電話 |
在宅療法継続用資機材 | |
その他必要と認められる資器材 |
備考
自動式心マッサージ器及び心電図伝送装置は、実情に応じて備えるものとする。