○斜里地区消防組合消防通信運用管理規程
令和3年4月1日
規程第1号
斜里地区消防組合消防通信運用管理規程(昭和60年規程第3号)の全部を改正する。
目次
第1章 総則(第1条―第3条)
第2章 無線通信(第4条―第10条)
第3章 通信指令(第11条―第16条)
第4章 維持管理(第17条―第18条)
第5章 雑則(第19条)
附則
第1章 総則
(趣旨)
第1条 この規程は、電波法(昭和25年法律第131号)及びこれに基づく政令並びに規則等(以下「法令」という。)その他に定めるもののほか、災害に対処するための通信(以下「消防通信」という。)について必要な事項を定め、消防業務の効率的な運用を図ることを目的とする。
(用語の定義)
第2条 この規程における用語の意義は、斜里地区消防組合警防規程(令和2年訓令第1号)(以下「警防規程」という。)に定めるもののほか、次の当該各号に定めるところによる。
(1) 通信施設 有線回線又は無線回線を使用し、消防業務において必要な通信の用に供する全ての設備及びその設備を構成する機械器具等をいう。
(2) 通信員 消防署及び分署において通信業務に従事する職員をいう。
(3) 通信指令体制 消防通信を円滑に推進するため、通信員の確保、通信施設の整備、適正な保守管理等必要な体制をいう。
(管理責任)
第3条 消防長は、消防通信の効率的な運用を図るため、消防通信にかかわる実態を把握し、これに対応する通信指令体制を確立するものとする。
2 署長等は、通信施設を適正に保守管理し、通信の業務が円滑に遂行できるよう適切な指導及び調整を行うとともに、通信施設の効果的な運用を図るものとする。
3 通信員は、法令その他定められた事項を遵守し、通信機器の仕様、取扱いを十分に把握し、消防通信を効率的に運用できるよう努めるものとする。
第2章 無線通信
(無線通信の制限)
第4条 無線通信は、消防業務の円滑な遂行を図るものとし、目的外通信をしてはならない。ただし、法令その他に定める目的外通信として認められているものはこの限りでない。
(無線通信の統制)
第5条 基地局は、無線通信の円滑な運用を期するため、開局している移動局に対して通信内容を監視し、必要がある時は交信を抑制し、重要通信に支障を来たさないよう統制しなければならない。
(無線局の運用)
第6条 基地局の運用に当たっての通信員は、署長等が指名し配置するものとする。
2 無線局の開局及び閉局は、次の当該各号に定めるとおりとする。
(1) 固定局及び基地局は常時開局するものとする。
(2) 陸上移動局(車載型)は、常置場所から移動するときに開局し、帰署したときに閉局するものとする。
(3) 陸上移動局(携帯型)は、通信の必要がある時に開局し、必要がなくなったとき閉局するものとする。
(4) 陸上移動局(卓上型)は、非常時において搬送使用できる状態とし、固定型外部空中線については、基地局が使用できない等の非常時に使用するものとする。
3 各移動局は、開局をする都度基地局と交信し、通信状態の確認をするものとする。
(無線局の区分等)
第7条 無線局のチャンネル指定区分は、別表第1に定めるとおりとする。
(無線通信の要領)
第8条 無線通信を行う場合は、次の各号に掲げるところにより、通信用語の簡素化を図るものとする。
(1) 用語の省略 交信内容のうち省略可能な用語は、極力これを省略し簡易短文化を図る。
(2) 敬語の廃止 敬語等内容に不必要な用語は、廃止又は簡略化する。
(3) 冗長語の廃止 言語は簡潔にまとめ適切な速度で交信する。
(4) 略語の使用 通信業務上周囲の状況又は短文化を図るため、必要に応じ、あらかじめ定めた略語を使用する。
2 無線通信をより効率的に運用するため、通信方法及び留意事項にあっては別表第2に定めるとおりとする。
3 災害現場において、指揮活動を円滑に行うため、現場指揮隊長と出動各部隊及び通信指令との相互間の通信用語を別表第3のとおり定め、区分を交信内容の始めに付し、その内容をより正確に伝達するものとする。
(無線従事者の配置)
第9条 署長等は、無線局の運用形態に応じ、適正な員数の無線従事者を配置するものとする。
2 署長等は、無線従事者の適正な配置を確保するため、必要に応じ、無線従事者の養成に努めるものとする。
(通信試験)
第10条 無線従事者及び通信員は、必要に応じて無線局の通信試験を実施し、無線機器及び設備の異常の有無を識別しなければならない。
2 前項の通信試験とは別に、必要に応じ予備電源の点検を実施するものとする。
第3章 通信指令
(消防隊等の掌握)
第11条 通信員は、災害活動に出動可能な消防隊等の状況を、常に掌握しておかなければならない。
2 消防車両等の故障、事故その他の事由により出動不能となったときは、直ちに通信員にその旨を報告しなければならない。
(通信区分)
第12条 通信は、災害等における緊急的、かつ、重要な通信を優先し、原則として次の各号に掲げる順序によるものとする。
(1) 通報 事故、災害等発生の情報の通信
(2) 指令 前号通報を分析処理した結果に基づく命令のための通信
(3) 要請 災害の拡大を最小限に止めるための消防力の増強、応援等のための通信
(4) 報告 状況、活動内容等の情報の通信
(5) その他 前各号以外の通信
(通報の受理)
第13条 通報を受理するときは、次の各号に掲げる事項を正確、かつ、迅速に聴取しなければならない。
(1) 災害の発生場所
(2) 災害の状況
(3) 傷病者の有無、人数、傷病程度
(4) その他活動上必要な情報
2 通報内容から消防隊等の到着まで、通報者又は関係者の対応が必要と判断されるときは、別に定める口頭指導を実施するものとする。
3 通報を受理したときは、その災害の種別に応じ、関係機関に速やかに連絡するものとする。
4 消防署又は分署の管轄外に係る災害の通報を受信したときは、速やかに当該地域を管轄する消防署又は分署若しくは消防本部に通報しなければならない。
(通報の記録)
第14条 通報を受信したときは、内容を録音するものとし、特異な事例等保存する必要があると認められるものについては記録媒体に保存するものとする。
2 前項の記録媒体は、署長等の承認を受けて消去又は廃棄するものとする。
(出動指令)
第15条 通報を受理し、消防隊等の出動の必要があると認められるときは、警防規程において定められた出動種別により出動指令をするものとする。
(通信員の遵守事項)
第16条 通信員は、消防業務上重要な情報及び災害等の様態により秘匿性の高い情報を取り扱うため、次の各号に掲げる事項を遵守しなければならない。
(1) 通信施設を災害活動その他の消防業務以外の用に使用しないこと。
(2) 通信内容に自己判断による注釈を加え又はその内容を独断で処理しないこと。
(3) 通信勤務中に知り得た情報を他に漏らさないこと。
第4章 維持管理
(保守管理)
第17条 署長等は、通信施設の保守管理の適正を期するため、常に必要な処置をしなければならない。
(機器故障の場合の処理)
第18条 通信施設に異常又は故障を生じた場合は、速やかに署長等に報告しなければならない。
2 署長等は、前項の報告を受けたときは、直ちに修理復旧に努めなければならない。
第5章 雑則
(その他)
第19条 この規程について必要な事項は、消防長が別に定める。
附則
この規程は、令和3年4月1日から施行する。
別表第1(第7条関係)
チャンネル | 運用 | 用途等 |
統制波1 | 日本全国各消防本部、防災ヘリコプター | 都道府県を越え、消防機関相互の応援活動を行う場合に、各消防機関相互の通信統制を行うために使用する。 |
統制波2 | ||
統制波3 | ||
主運用波4 | 北海道各消防本部、ドクターヘリコプター | 各都道府県に属する消防機関が、相互に応援活動を行う場合に使用し、北海道は主運用波4を割り当てられている。 |
活動波1 | 消防署、ウトロ分署 | 斜里地区消防組合の消防署及び分署管内で消防活動を行う場合に使用し、消防署及び分署毎に指定するチャンネル。 |
活動波2 | ||
活動波3 | 清里分署 | |
活動波4 | 小清水分署 |
別表第2(第8条第2項関係)
項目 | 通信方法 | 留意事項 | ||||
呼出し | 1 普通通信の呼出し ① ○○(自局の呼出名称) 1回 ② から 1回 ③ ●●(相手局の呼出名称)(または識別名称) 1回 2 至急通信の呼出し ① 至急 2回 ② ○○(自局の呼出名称) 1回 ③ から 1回 ④ ●●(相手局の呼出名称)(または識別名称) 1回 | 1 通信開始前の注意 通信を開始しようとするときは、他の通信に混信を与えないかどうかを確かめ、他の通信に混信を与えるおそれがある時は、その通信が終了した後でなければ通信を開始してはならない。 2 識別名称 | ||||
区分 | 内容 | |||||
各局 | 同一通信系を構成する無線局のすべてを呼出す場合 | |||||
各移動 | 同一通信系を構成する移動局のすべてを呼出す場合 | |||||
各隊 | 同一通信系を構成する移動局のうち、同一災害出動中の移動局のすべてを呼出す場合 | |||||
注 特定地域の無線局すべてを呼出す場合は、識別名称の始めに地域名を付する。 3 至急通信の優先 (1) 普通通信は、至急通信の通話中に割り込んで行うことはできない。 (2) 普通通信を通話中の無線局は、他の無線局が至急通信を行うための呼出し又は通信開始の要求を傍受したときは、直ちに普通通信の通話を中止するものとする。 | ||||||
再呼出し | 前項目に準ずる。 | 1 呼出しを行っても相手局の応答がないときは、10秒以上の間隔をおいてさらに2回呼出しを行うものとする。 2 再呼出しに応答がないときは、さらに1分以上経過した後でなければ再び呼出しを行ってはならない。ただし、ほかの通信に混信を与えるおそれがないと認められる場合又は至急通信の通話を行う場合はこの限りではない。 | ||||
呼出しの中止等 | 1 混信を与える無線局の呼出名称が判明している場合 ① ○○(混信を与える無線局の呼出名称) 1回 ② しばらく 待て 1回 2 混信を与える無線局の呼出名称が不明な場合 ① しばらく 待て 1回 | 自局の呼出しが、他のすでに行われている通話に混信を与える旨の通知を受けたときは、直ちにその呼出しを中止しなければならない。 | ||||
応答 | 1 普通通信の呼出しに対して応答する場合 ① ○○(自局の呼出名称) 1回 ② です 1回 ③ ●●(相手局の呼出名称) 1回 ④ どうぞ 1回 又は しばらく 待て 1回 2 至急通信の呼出しに対して応答する場合 ① 至急 2回 ② ○○(自局の呼出名称) 1回 ③ です 1回 ④ ●●(相手局の呼出名称) 1回 ⑤ どうぞ | 1 ただちに通話できない場合は、「どうぞ」に代えて、「しばらく 待て」を送信する。 2 無線局の同時呼出しに対する応答順位は、現場指揮本部、基地局、移動局の順とし、移動局の応答順位は災害の種別、状況及び出場隊編成によって異なるため、各無線局の無線取扱者の判断とする。 | ||||
不確実な呼び出しに対する応答 | ① ○○(自局の呼出名称) 1回 ② です 1回 ③ さらに 1回 ④ どうぞ 1回 | 1 自局に対する呼出しであるが、呼出しを行った相手局の呼出名称が不明である場合は、応答するものとする。 2 自局に対する呼出しであることが明らかではない呼出しを傍受したときは、それが反復され、自局に対する呼出しであることが判明するまで、応答しないものとする。 | ||||
通話の送信 | ①(通信事項) ② どうぞ 1回 | 1 通話の送信速度は、日常の会話における速度を標準とする。 2 通話の送信が概ね30秒以上にわたる時は、至急通信等の割り込みを容易にするため、約20秒ごとに2~3秒間送信を中止しなければならない。 3 通信の途中において、相手局を概ね1分以上待たせるときは、原則としてその通信を一度終了し、他の無線局に通信の機会を与えなければならない。 4 急を要する通話又は都度の応答が必須ではない通話であって、相手局の受信が確実である場合は、相手局の応答を待たずに、呼出しに続けて通話の送信を行うことができるものとする。また、出動隊の移動局からの現着及び引揚等の報告も同様とする。 5 呼出しに対する応答があった場合は、相手局から「しばらく 待て」の送信があった場合を除き、ただちに通話の送信を行わなければならない。 | ||||
通話の解信 | ① ○○(自局の呼出名称) 1回 ② 了解 1回 | 1 通話を受信したときは、折り返し解信を行わなければならない。 2 受信局が2以上ある場合は応答における順位に準ずる。 | ||||
再送要求 | ① 再送 願う 1回 ② どうぞ 1回 | 1 通話内容が不明確な場合、相手局に対して、再送の要求を行うものとする。 2 再送要求を受けた無線局は、同内容又は必要に応じて送信する内容を見直し、相手局に理解されやすい語法に変え送信するものとする。 | ||||
解信要求 | 1 受信局が単数の場合 ① 了解か 1回 ② どうぞ 1回 2 受信局が複数の場合 ① ●●(相手局の呼出名称) 1回 ② 了解か 1回 ③ どうぞ 1回 | 1 通話の送信終了後、概ね5秒以上経過しても相手局が解信しないときは、解信要求を行うことができる。 2 自局に対する解信要求を傍受したときは、通話内容が不明確であった場合を除き、ただちに解信を送信するものとする。 | ||||
通信の終了 | ① 以上 1回 ② ○○(自局の呼出名称) 1回 | 通信の終了は、呼出しを行った無線局が送信しなければならない。 | ||||
通信試験の開始 | ① こちらは 1回 ② ○○(自局の呼出名称) 1回 ③ ただいまより 1回 ④ ××(試験するチャンネルの名称)にて 1回 ⑤ 交信テストを行います 1回 | 通信試験を行うときは、普通通信及び至急通信が行われていないことを確認し、実施するものとする。 | ||||
通信試験の応答 | ① ○○(自局の呼出名称) 1回 ② です 1回 ③ ●●(相手局の呼出名称) 1回 ④ メリット1~5 1回 ⑤ どうぞ 1回 | 感度及び明瞭度の区分 | ||||
メリット1 | 音飛びが多く、通話の内容は不明 | |||||
メリット2 | 音飛びが多く、通話の内容が、半分程理解できる | |||||
メリット3 | 音飛びがあるが、通話の内容は完全に理解できる | |||||
メリット4 | 音飛びが少しある | |||||
メリット5 | 音飛びがなく、通話状態が良好である | |||||
通信試験の終了 | ① これで 1回 ② ××(試験するチャンネルの名称)による 1回 ③ 交信テストを終了します 1回 ④ 以上 1回 ⑤ ○○(自局の呼出名称) 1回 |
別表第3(第8条第3項関係)
種別 | 区分 | 内容 |
命令 | 活動命令 | 1 活動方針、延焼阻止、補給、警戒筒先配備、水損防止及び担当者(場所)の指定等に関すること 2 車両、水利、注水の部署及び中継体系等に関すること 3 火点、人命の検索及びガス検知活動等に関すること 4 要救助者の救出又は救助活動及び避難誘導等に関すること |
現場待機命令 | 即時活動開始できる態勢の確保に関すること | |
集結命令 | 人員、資器材等の集結に関すること | |
退避命令 | 一時又は緊急避難に関すること | |
警戒命令 | 安全確保及び活動危険に関すること | |
引揚命令 | 消防隊等の引揚に関すること | |
要請 | 支援要請 | 人員、筒先、資器材、補水等の支援に関すること |
行動要請 | 現場活動における行動の規制等に関すること | |
増強要請 | 消防隊等の増強に関すること | |
関係機関要請 | 関係機関の臨場に関すること | |
報告 | 活動報告 | 下命に対する報告及びその他の活動状況に関すること |
状況報告 | 現認状況、災害の推移、実態及び概要に関すること | |
救急報告 | 傷病者及び救急活動に関すること | |
情報 | マル救情報 | 要救助者に関すること |
マル傷情報 | 傷病者に関すること | |
マル弱情報 | 災害弱者に関すること | |
警戒情報 | 活動危険に関すること | |
一般情報 | 災害対象物等又はその他の情報に関すること |